こんにちは
アラスカと言えば氷河やオーロラですが、実際に行ってみて感動したものの一つがパイプラインです!見ればただのパイプではありますが、とにかく巨大で、アラスカに行くとその魅力に取り憑かれてしまうのです。大自然の中を貫く巨大な人造物パイプラインについて語ろうと思います。
トランスアラスカパイプラインを見た話!
トランスアラスカパイプラインとは
トランス-アラスカ・パイプラインシステム (Trans-Alaska Pipeline System) は、アラスカを南北に縦断する石油パイプライン。総延長は約1300kmに及ぶ。
アメリカ合衆国・アラスカ州にあり、北部の油田地帯プルドーベイと南部の港バルディーズを結ぶ。1974年に工事が始まり、1977年に完成した。Wikipedia トランスアラスカパイプライン より引用
3年で完成したとのことなのですが、実際にアラスカに行き、山を越え川を越え厳しい大自然の中をどこまでも続くパイプラインを見ると、よくこれを3年で作ったなぁと思わざるを得ません。冬は作業が中断すると思いますし・・
総延長1300kmというのはどのくらいかというと、東京から福岡でも1064km.
宇都宮から長崎までで1352km. そんな距離を一本のパイプラインが貫いているのは本当に感動もの。日本の新幹線のようなアラスカの命綱がこのパイプラインです・・!
ちなみに宇宙から見えるという万里の長城が8,851.8 km(大きすぎる笑)で、パイプラインは世界2位の長さの人造物と聞いたことがあります。
Wikipediaの建築物(長さ)ランキングでは2位がラニコート・フォート(パキスタンの要塞:8600m)となっていますが、このランキングは『人が占有するための建物のみに限定する(道路や橋などは除く)』と書かれていて、パイプラインはどうやら除かれてしまっている様子。とにかく、万里の長城は論外として、その次に長いものでももう8600mのものしか出てこない。1300kmの人造物というのは本当にとんでもなく巨大なことがわかるかと思います・・
パイプラインの構造
11のポンプステーションがあり、それぞれ4台のポンプで構成されている。電動式のポンプはディーゼル若しくは天然ガスで発電された電気で作動する。計画時には12のポンプステーションが予定されていたが、実際に建設されたのは11だった。
詳しいことはよくわからないですが、1300kmもあって11箇所しかポンプステーションがないと思うと結構すごい気がします。
一部の地域では永久凍土上にパイプラインが敷設されており、パイプラインの熱で永久凍土が融けないように杭にはヒートパイプが採用されており、地中の温度が大気温より高い場合は伝導して地中の温度を放熱器から放熱する事により地中の温度を冷やし、大気の温度の方が地中の温度よりも高い場合には熱を遮断する構造になっており、永久凍土が溶け出すことを防ぐ構造になっている。これにより、打ち込む杭の深さが浅くても済むようになっている。
パイプラインが凍らないように、という話ではなく、パイプラインの熱で永久凍土が溶けないようにという話なのですね。環境にも配慮して作ったことが伺えます。
ただ、山幅を走っているところもあり実際に見ると複雑な気持ちにもなります。
パイプの直径は48インチ(1,219ミリメートル)で、全て日本製(当時の新日本製鐵)であり、厳しい温度変化による金属の伸び縮みを考慮した結果ジグザグに配置されている。
なんと、まさかのオール日本製でした!!写真で見ると細いパイプに思えてしまうのですが、直径、めちゃくちゃ大きかったです!