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こんにちは
ルナレインボーとは、満月の夜にだけ見ることができる虹です。ジンバブエとザンビアの国境にある世界遺産ビクトリアフォールズで、ルナレインボーを見てきました。実際の様子をお伝えしたいと思います。
ルナレインボーとは

ルナレインボーとは?
ルナレインボー(moonbow:月虹)とは、その名の通り 月の光によってできる虹 のこと。昼に見られる一般的な虹と同じように、水しぶきや雨粒に光が反射・屈折して発生しますが、その光源が太陽ではなく「月」という点が最大の違いです。
「夜に虹が出るなんて本当にあるの?」と思ってしまいますが、満月の頃の明るい月光と、水蒸気や霧が合わさることで、本当に虹が現れます!とても希少で神秘的な現象として知られており、特にジンバブエとザンビアの国境にあるビクトリアフォールズでは、そのルナレインボーが見られる世界でも珍しいスポットとして有名です。
虹とは、主に雨の後に空気中の水滴が太陽光を反射して見える現象ですが、ルナレインボー(月虹)とは、滝のものすごい水しぶき(=空気中の水滴)が、満月の月明かり(=太陽光の代わり)に照らされて、満月の夜に虹が見える現象です。
ビクトリアフォールズに限らず大きな滝では同じ現象が起こるそうで、実際にイグアスの滝でもルナレインボーは見ることができるようです。しかしナイアガラの滝はそういった情報が見当たりません。少し都会すぎるのかもしれません。
いずれにせよ、見られる場所も条件もかなり限られているとても貴重な現象です!
昼の虹とどう違うの?
昼の虹 | ルナレインボー | |
光源 | 太陽 | 月 |
時間帯 | 日中 | 満月の夜前後 |
明るさ | 鮮やかな明るい七色 | 淡く、白っぽい |
発生条件 | 雨や霧 + 日光 | 滝の水しぶき+満月の光 |
ルナレインボーは、見え方がやや淡め。日中の七色の虹とは少し異なってぼんやりした色味ですが、それがまた神秘的です。
ルナレインボーはなぜ淡く見えるのか?
昼の虹と同様、ルナレインボーも水滴の中で光が屈折・反射されてできています。
しかし、違うのは 月の光の「明るさ」
太陽光に比べて、月の光は非常に弱く、その明るさは約40万分の1とも言われています。
このため、人間の目がその色をしっかり認識するには光が足りず、明るい昼の虹のような鮮やかな七色には見えにくいのだそうです。
さらに、夜間の人間の視力は「明るさ」には反応できても、「色」には弱くなるため、
白っぽいモヤのように見えることが多くなるようです。
ただし、長時間露光で撮影した写真には、美しい七色の虹が写ることもあります。
これは、カメラが目よりも多くの光を取り込み、色の情報を保持できるためです。
📌ルナレインボーは 月の光でできる夜の虹
📌満月前後の明るい夜・霧や水しぶきが必要
📌太陽光より光が弱いため 白く淡く見える
📌肉眼では見づらいが、カメラで撮ると色が浮かび上がることもある
ルナレインボーがビクトリアフォールズで見られる理由
滝の霧と満月の光が合わさる奇跡の“条件”
ルナレインボー(moonbow)は、世界中どこでも見られる現象ではありません。
ごく限られた自然条件がそろわないと発生しないため、見ることができる場所は地球上でも数えるほどしかないのです。その中でも特に有名で、見れる確率が高い場所が、ジンバブエ・ザンビアのビクトリアフォールズです。
ルナレインボーが出現する3つの条件
ルナレインボーが見えるためには、次の3つの自然条件がすべてそろっている必要があります。
📌明るい月(主に満月)が出ていること
📌空気中に細かい水の粒(霧や水しぶき)が漂っていること
📌空が晴れていて、月と反対方向に開けた視界があること
この中でもとくに重要なのが「霧のような細かい水滴」です。
普通の雨では水滴が大きすぎたり一瞬で消えてしまったりするため、長時間にわたって水しぶきが舞い続けている環境が必要になるのだそうです。
ビクトリアフォールズがルナレインボーに最適な理由
アフリカのビクトリアフォールズは、上記の3つの条件を高確率で満たしてくれる貴重な場所です。
✓落差100メートル以上の巨大な滝
→ 毎秒約1000トン以上の水が流れ落ち、膨大な霧や水しぶきが常に発生
✓水滴が長時間空中に漂っている
→ 日中だけでなく、夜も水滴が滞留しやすい環境
✓視界が開けており、月と滝の位置関係も観察に適している
これらの条件がすべてそろっているため、ビクトリアフォールズでは満月の時期になると高確率でルナレインボーが発生すると言われています。
さらに、ビクトリアフォールズ国立公園では「ルナレインボーツアー」も催行されているため、専門ガイドの案内とともに安全に観察できるのも魅力の一つです。
世界でも限られた場所でしか見られない現象
ルナレインボーが見られる場所は、実は世界中でもかなり限定的。
以下は、世界でルナレインボーが有名なスポットの一例です。
地域 スポット名 国名
アフリカ ビクトリアフォールズ ザンビア・ジンバブエ
北アメリカ ヨセミテ滝 アメリカ
中南米 イグアスの滝 アルゼンチン・ブラジル
アジア メヘンディプル・バラージュ インド
オセアニア ワイマング渓谷 ニュージーランド
その中でも、ビクトリアフォールズは世界で最も観測率が高い場所として知られており、
「ルナレインボーを一生に一度は見たい!」という旅行者にとって、まさに聖地とも言える存在です。
ルナレインボーはいつ・どこで見るのがベスト?
ビクトリアフォールズでルナレインボーを確実に見るためには、「月齢」と「季節」、そして**「観測ポイント」**の選び方が重要です。
せっかく行くなら、絶景の条件がそろうタイミングを狙いたいですね。
ベストタイミングは“満月”+その前後3日
ルナレインボー(moonbow)は、月の光が水しぶきに反射・屈折して現れる虹のような現象。そのため、月が明るい=満月の時期がベストシーズンです。
■ 見られる可能性が高いのは…
満月当日
または満月の前後2~3日間
この期間中は、月が十分に高く、空が暗くなる時間帯に観察が可能になります。
特に、月の出から1~2時間後の完全に暗い時間帯が理想です。
✓ポイント
月の出時刻と満月カレンダーを事前にチェックしておくと、現地でのスケジュールも立てやすくなります。
季節による違いは?2月~8月が狙い目!
ビクトリアフォールズでルナレインボー観察に適しているのは「水量が多く」「天気が安定している」時期です。
季節 | 月 | 特徴 | 水しぶき | |
雨季明け | 2‐5月 | 滝の水量が最大級大量 | 大量の水しぶきが発生 | 非常に好条件 |
乾季 | 6-8月 | 晴れやすく空気が澄んでいる | 水しぶきはやや減少 | 好条件 |
季節別のメリット
2月〜5月(夏の終わり〜秋)
→ 滝の水量が最も多く、水しぶきのボリュームも抜群。ルナレインボーの光も広く鮮明に出現します。
→ 雨季明けで空も比較的安定してきます。
6月〜8月(冬季)
→ 天気が良く、空気がクリア。雲が少ないため月光の通りも良好です。
→ 水量がやや減るが、まだ十分に発生条件を満たしています。
💡雨季真っ只中(12月〜1月)は天気が不安定で、観測チャンスが減る可能性があります。
有名な観測地点とおすすめスポット
ルナレインボーをよりはっきり美しく観察するには、ビクトリアフォールズの中でも「水しぶきが多く視界が開けているスポット」を選ぶのがポイントです。
🇿🇼ジンバブエ側:東キャタラクト(East Cataract)
最も人気の高い観測ポイント
水量が多く、虹が出やすいアングル
ジンバブエ国立公園内にあり、夜間特別開放される「ルナレインボーツアー」でも利用されます。展望台からの視界が広く、月との角度も良好。
🇿🇲ザンビア側:Knife-Edge Bridge 付近
ザンビア側の有名スポットで、滝の全体像が見やすい
濃い水しぶきと真正面からの月光の組み合わせが◎
ザンビア側の国立公園でも、満月の夜は特別にゲートを開放することがあります。
実際に見に行った体験談
ここでは実際に見に行った体験談をお伝えします。
日中ビクトリアフォールズを見てホテルで一休みし、暗くなってからいよいよルナレインボーを見に行きます。滞在中のホテルはジンバブエですし、またジンバブエ側から夜のビクトリアフォールズに行けたらと思っていました。
でもここで問題発生!突然夫が、『ザンビア側から見る方がルナレインボーはキレイに見られるのではないか?』と言い出したんです・・(なんで直前に言う?)
虹の角度・・・?即答できる人いるんでしょうか笑
虹が水滴を反射する角度は42度なのだそうです。
で、今回(6月)の満月の昇る位置と滝の位置、虹のできる位置、角度、色々考えるとジンバブエ側からよりもザンビア側からの方がキレイに見えるし写真も撮りやすいだろうということでした。
それならザンビアに行っても良いけど、最初にビザ取っておけばよかったよね・・・
ぼやいても仕方ないので、すぐにホテルのタクシー乗り場に走ります。
ザンビア国境へ
タクシーに乗り込み、ザンビア国境までお願いしますと伝えました。しかし、現地のタクシーの運転手さんは、ルナレインボーを知らない・・
『ふーん、そういうのがあるの・・?』と半信半疑な感じで国境まで走ってくれました。てっきり国をあげた観光イベントかと思ってましたが・・。
ザンビア側からルナレインボー

ホテルから車で走ること15分ほど。こちらがジンバブエとザンビアのボーダーです。今いるのがジンバブエ。フェンスの向こう側がザンビア。

パスポートを見せて、ザンビアのビザがないのでここで取得して入ります。ルナレインボーを見るというとすぐに手続きをしてくれました。
さすがに公園の方はルナレインボーを把握されていて、すんなり中に入ることができました。ここまで来るとルナレインボーツアーの方がたくさんいらっしゃいます。みなさん元々ザンビア側に宿泊されているようでした。(こんなにバタバタ来る人いませんよね笑)
公園内を歩くのは自由ですが、ルナレインボーを見るスポットはだいたい決まっています。あまりコースを外れると一生戻れなくなる可能性もありますので気をつけて。
皆さん観測スポットに集まって、あとは虹がかかるその瞬間を待つのみです。諸条件あって、満月がちょうど良い位置まで昇った時にしか虹は掛かりません。待ち時間長めです。

20分くらいは待ったでしょうか・・ようやく虹がかかり始めました!
三脚を持ってきている方も多いですが、我が家は持って行かなかったのでカメラをうまく固定できる場所を見つけてはシャッターを切り続け・・・少ししたら別の方にその場所を譲って・・・という感じで、ひたすら主人が撮影を頑張ってくれました。

そもそも今回の世界一周にはあまり良いレンズは持って来なかったこともあって(&ブログでは画質を落としています)今回の写真の限界がこちらです。でも幻想的なのは伝わるかと思います。
何箇所かスポットがあるので公園内を歩き、色々な場所から観測することができます。
これが本当に真っ暗で恐ろしかったです。本当の真っ暗というものを実は体験したことがなかったことに初めて気づきました。
何も見えない暗闇の中、恐ろしいほどの水音に襲われながら、日本から遠く離れたアフリカで足元が滑る吊り橋を渡るのは、歩いているだけで足が竦み、泣きたくなるような体験でした。

でもそのかいあって、神秘的な光景を見ることができました。
『そもそも日中のビクトリアフォールズもザンビア側から見た方がよかったのでは・・?』と夫は言っていました。確かにザンビアの方が水流の音がすごくて圧倒されましたが、夜のせいもあったかもしれません。
水量と満月の光、天気、条件が重ならないと見られないレア現象だからこそ、実際に見られた時の感動はすごいです!
観測時の服装と持ち物
ビクトリアフォールズでのルナレインボー観察は、夜間+大量の水しぶきという特殊な環境です。せっかくの感動体験を寒さや濡れで台無しにしないためにも、服装や持ち物の準備はとても重要です。
【服装】夜の滝は想像以上に寒い!
ビクトリアフォールズのあるジンバブエ・ザンビアは「暖かいイメージ」がありますが、夜間は気温が下がり、滝周辺では体感温度も低くなります。
防寒・防水のための基本装備:
撥水・防風のジャケット(レインウェア兼用がおすすめ)
フード付きアウター(傘が使えない場所もあるため)
長ズボン(防寒+虫対策)
🌡️特に6~8月の冬季は朝晩が10℃前後になることもあり、薄手のダウンやフリースがあると安心です。
【靴】水たまり&濡れた吊り橋に対応できる靴
滝周辺の遊歩道や橋は常に濡れていて滑りやすく、夜間は見えづらく危険度が増します。
安全な足元を確保するには:
滑りにくいアウトドア用シューズ
トレッキングシューズ など
替えの靴下(予想以上に濡れる場合に備えて)
滑りやすい履き物は避ける。ビーチサンダル、クロックスなどではかなり危険です。
【必需品】雨・霧・夜間移動に対応するアイテム
ルナレインボー観測では、突然の霧状の雨(ミスト)や暗がりの中での移動もあります。快適&安全に楽しむために、以下の持ち物があると便利です。
✅持ち物チェックリスト:
持ち物 用途・ポイント
軽量レインウエア 傘は使えない場所も多いため、両手が空く防水ウェアが◎
帽子 レインウエアでも濡れるので、帽子があると便利
防水バッグ カメラやスマホを水しぶきから守る
ヘッドライト or 小型懐中電灯 足元確認や夜道移動に必須。両手が空くヘッドライトも便利
速乾タオル 体やレンズを拭く用に
防水ケース付きスマホ 撮影にも備えて防水対策を万全に
📸 撮影予定の方は、レンズ用のクロスや防水カバーもあると便利です。ミストがレンズに付くと、うまく撮影できないこともあります。
おまけ:日中のビクトリアフォールズ
ビクトリアフォールズは一体が国立公園になっています。日中はジンバブエ側から入りました。入園後は順路があるのでそれに従って歩きます。最初から水しぶきの音や気配がすごく、『わーすごい!』『すごい!』と写真を撮りまくっていましたが、園内を進んでいくに連れてどんどん音もすごくなってきて、どんなに写真を撮っても追いつきません。

人の何倍もの高さの水しぶき。この水しぶきが夜月明かりで照らされて虹ができるんですね。歩いているだけで結構濡れます。ツアーの方々はカッパを配られていました。

結構端っこまで行くことができます。
どんなに端っこで写真を撮るのも自由ですが、足元はかなり滑ります。すべて自己責任です。落ちる人も年に一人くらいはいるのだそうです。日本でもたまにニュースになっていますね。

当然ですが実際に行くと写真で見るのとは比べ物にならないほど圧倒されます。下を見ると足がすくみます。。激しく、途切れることのない水の音、上空ツアーのヘリコプターの音、飛んでくる水しぶき・・すべてがこの景色を作り出していて、静止画では到底伝わりません。。
これまで見てきた那智の滝、華厳の滝、ヨセミテ国立公園の滝、アラスカの滝・・そういった類の滝とビクトリアフォールズとが同じ『滝』という一括りで良いのだろうか?と思えてくるほど、ものすごい迫力でした。
静かな感動がじわじわと広がる体験
ルナレインボーは、想像よりも「静か」で「儚い」現象かもしれません。日中の虹が夜に見える!という知識で行きましたが、実際に見てみると、rainbowとmoonbowはまったく別のものでした。言葉にしにくいのですが、神秘的で心の奥に触れるような体験でした。
ビクトリアフォールズという世界的な大自然と、月の光が織りなすこの神秘の現象を、ぜひ見に行ってみてくださいね!
>>ザキングダムアットビクトリアフォールズホテルに泊まりました。

>>今回、世界一周特典航空券の旅、でジンバブエを訪れました。
